震災後に思う、、、

震災後に溶けだした私の気持ちが、今絵画制作においても流動的になって、何か捕えがたい形のない世界をさまよっている感じがする。色彩の広がりと美しさは今まで以上に求めるところがあるのも事実だし、今までになくより堅固な画面を求めている自分をも感じている。

日本は昨年の震災で失ったものも多いが、逆に目にはみえないが、国民が一人一人の中で得たものもたくさんあったのではないかと思う。私も一人の作家として心の変化には敏感であり、捕えがたいものではあるが確実に新しい動きが始まっているのを感じる。昨年見た祖母の実家の変わり果てた姿とあるべき街一つがそこになかったことに対する驚愕は今でも記憶から離れない。すべての思い出と過去が消え去って行った事に対して、決して消え去ることのない目に見えないものに価値を求め、心の平安を得ることの大切さを感じた人は少なからずいたのではないだろうか。芸術はそんな意味で物資的な物ではなくより精神的な物に対する価値を貫こうとするその思いがこんな時代にこそ大切になるのではないかと信じて疑わない。

昨年来私は何か大きく変えられつつあるような気がする。不思議なほど自分の内に何かを立て直したいという願望と新しく創造へと駆り立てられたいという欲求が湧いてくる。[…] 日記1837ページ

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